ContextCapture Editor

RealDWGとObject Enabler

Object Enablerは、DWGファイルでカスタムオブジェクトを解釈するために必要なプログラムです。Object Enablerが存在しないと、DWGファイルの一部の情報が正しく表示されないことがあります。V8i SELECTseries 1以前のエディションでは、ContextCapture EditorはOpen Design Alliance OpenDWGライブラリで再書き込みされたObject Enablerをサポートしていましたが、OpenDWGをサポートしていないObject Enablerが多数ありました。V8i SELECTseries 1では、AutoCADでも実行できるObject EnablerをContextCapture Editorで直接実行できるので、これらのEnablerによって作成された図形オブジェクトが最適な状態で表示されます。

カスタムオブジェクトが含まれているDWGファイルを開いたときにEnablerが見つからないと、「注意」ウィンドウが表示されます。このウィンドウに、欠落しているすべてのEnablerの一覧が表示されます。Enablerの提供元や、必要なEnablerを検索してダウンロードできるWebサイトなどの詳細情報が含まれていることもあります。DWGファイルを開くだけなら、Enablerは必要ないことに注意してください。Enablerが欠落していてもファイルは開きますが、カスタムオブジェクトはプロキシオブジェクトになります。

RealDWGライブラリが統合されたプログラムでは、Autodesk発行のガイドラインに準拠して書き込まれたObject Enablerも使用できます。これには、エンティティのObject Enablerがある場合、DWGファイルの提供者に"プロキシ"を有効にして保存するように依頼する必要がないという利点があります。ContextCapture EditorでObject Enablerを使用すれば、カスタムエンティティの図形表現を取得できます。

AutoCAD Architecture、MEP、Structural Detailing、Civil 3Dなど、AutodeskのAEC製品によって作成されたカスタムオブジェクトは、RealDWGで提供されるObject EnablerまたはユーザーがダウンロードしてインストールしたObject Enablerを使用して、ContextCapture Editorで表示されます。しかしながら、旧バージョンで作成されたAECオブジェクトを含むファイルを開こうとすると、AECオブジェクトを更新するか、読み取り専用で開くか、または開く操作をキャンセルするかを尋ねる警告ウィンドウが表示されます。この動作を制御するには、「MS_OPENDWGAEC」構成変数を設定します。この構成変数の有効な値は次のとおりです。

  • 値 = 1 - ファイルは編集可能な状態で開かれ、AECオブジェクトは最新バージョンに更新されます。
  • 値 = 2 - ファイルは読み取り専用として開かれます。
  • 値 = NULL - 変数をまったく設定しないか、ほかの値に設定した場合、警告ウィンドウが表示されます。

AECオブジェクトを更新することを選択した場合、以前のバージョンのAEC製品でDWGファイルが前回保存されたことを示すメッセージがメッセージセンターに表示されます。このDWGファイルを保存すると、AECオブジェクトが新しいバージョンに更新され、最初にオブジェクトを作成したソフトウェアのバージョンとの互換性がなくなります。ファイルを編集して保存すると、AECオブジェクトはAEC Object Enablerの最新バージョンに更新されます。

RealDWGの使用によるその他の利点

RealDWGの技術を使用することにより、さまざまな利点が得られます。

  • DWGの信頼性が向上します。
  • AutoCADの標準SHXフォントを使用できるので、DWGの提供元にこれらを要求する必要がありません。

Object Enablerのインストール

AutoCAD ArchitectureおよびMEPのObject Enablerは、提供されるRealDWGに統合されているので、インストールする必要はありません。その他のObject Enablerは、それぞれのベンダーからダウンロードしてインストールできます。AutoCAD対応のObject Enablerがすでにインストール済みであっても、ContextCapture Editorで検索して使用できるようにするには、ContextCapture Editorのインストール後にObject Enablerのインストレーションプロセスを実行する必要があります。